こんにちは、相続に強い柏の司法書士です。

前回の記事では「相続人調査の必要性」「戸籍とは何か?」についてご説明させていだきました。

相続人の調べ方(戸籍の集め方)①

今回は、いよいよ相続人の調べ方(戸籍の集め方)について具体的にお話していきたいと思います。

どこまでさかのぼる?どこまで集める?

戸籍を追いかけていくと、上の世代、そのまた上の世代と、どんどんさかのぼっていくことができます。

昔の戸籍がどこまで保存されているかは場所によって異なりますが、たいがい明治初期に編製された戸籍くらいまではさかのぼることができます。

また兄弟姉妹の戸籍を取っていけば、横にも広がっていきます。

被相続人の相続人全員を特定したいという場合は、戸籍をどこまで集めればよいのでしょうか?

これを判断するためには、まず誰が相続人になるのか(相続順位)を知っておく必要があります。

誰が相続人になるのか(相続順位)

相続順位とは、相続人になれる優先順位のことです。第一順位の者がいればその者が相続人となり、いなければ第二順位の者が相続人に、さらにいなければ第三順位の者が相続人となります。

ポイント

相続人には

①配偶者相続人(被相続人の夫または妻)

②血族相続人(被相続人の子、父母・祖父母、兄弟姉妹・甥姪)

の2種類がある

配偶者は、常に相続人となります。

血族相続人は、以下の順位に従い配偶者とともに相続人となります

第1順位 子(子が被相続人より先に死亡していれば孫)

第2順位 父母(父母が被相続人より先に死亡していれば祖父母)

第3順位 兄弟姉妹(兄弟姉妹が被相続人より先に死亡していれば甥姪) 

ここまでを念頭においていただき、被相続人にどのような相続人がいるかの事例ごとに分けて、「戸籍をどこまで集めていくべきか」ご説明いたします。

パターン1:配偶者あり・子あり

被相続人に子どもがいますので、被相続人の父母や兄弟姉妹が相続人になることはありません。

従って、被相続人の子どもをすべて特定することができれば、相続人が特定できたということになります。

つまり、次の①②の戸籍を集めれば相続人調査は完了です。

集めるべき戸籍

①被相続人につき、出生から死亡までの連続した戸籍すべて

※この中に、養子や認知した子を含め、被相続人の子が全て載ってきます。

②相続人につき、現在の戸籍

※被相続人の戸籍中に出てきた子が、婚姻などの理由で別の戸籍に移っている場合に(上記D)、生存していることを証明するために必要となります。

※配偶者(B)・婚姻していない子(C)については、①の戸籍に載ってきますので重複して取る必要はありません。

なお、連続した戸籍といわれてもピンと来ないかと思いますので補足いたします。

戸籍は、様々な理由から作り変えられることがあります。

作り変えられると、それまでの戸籍は「除籍」「改製原戸籍」といった古い戸籍として扱われ、以降あたらしく事柄が書き加えられることはなくなります。

「連続した戸籍」とは、現在(最新)の戸籍から、作り変えられる前の戸籍まで途切れなく集めることを指します。

難しく感じるかもしれませんが、役所で戸籍を請求する際には、「○○(被相続人の名前)について連続した戸籍をすべて出してください」といえば対応してもらえますのでご安心ください。

パターン2:配偶者あり・子なし・父母生存

被相続人に子がなく、父母(のいずれか)が健在であることが確定すれば相続人が特定できたということになります。

つまり、次の①②の戸籍を集めれば相続人調査は完了です(戸籍が重複する場合は1通取得すれば大丈夫です)。

集めるべき戸籍

①被相続人につき、出生から死亡までの連続した戸籍すべて

※被相続人に子がいないことを確認するために集めます。

※出生までとらなくとも、一般的に生殖能力が認められる年齢(12歳位)までの戸籍がそろっていれば手続きできる場合もあります。

②相続人につき、現在の戸籍

※相続人として父母(のいずれか)が生存していることを証明するためにとります。

パターン3:配偶者あり・子なし・父母死亡・兄弟姉妹あり

被相続人に子がなく、父母が先に死亡しており、兄弟姉妹が生存していることを明らかにする必要があります。

このとき、被相続人の兄弟姉妹(=父母の子)をすべて特定する必要があることに注意してください。

つまり次の①②③④の戸籍を集めれば相続人調査は完了です(戸籍が重複する場合は1通取得すれば大丈夫です)。

集めるべき戸籍

①被相続人につき、出生から死亡までの連続した戸籍すべて

※被相続人に子がいないことを確認するために集めます。

②被相続人の父につき、出生から死亡までの連続した戸籍すべて

※被相続人の父の子(被相続人と父を同じくする兄弟姉妹)をすべて特定するために取ります。

③被相続人の母につき、出生から死亡までの連続した戸籍すべて

※被相続人の母の子(被相続人と母を同じくする兄弟姉妹)をすべて特定するために取ります。

④相続人につき、現在の戸籍

※相続人として兄弟姉妹が生存していることを証明するためにとります。

パターン4:配偶者あり・子なし・父母死亡・兄弟姉妹死亡・甥姪あり

被相続人に子がなく、父母と兄弟姉妹が先に死亡しており、甥姪(兄弟姉妹の子)が生存していることを明らかにする必要があります。

このとき、被相続人の兄弟姉妹(=父母の子)、甥姪(=兄弟姉妹の子)をすべて特定する必要があることに注意してください。

つまり、次の①②③④⑤の戸籍を集めれば相続人調査は完了です(戸籍が重複する場合は1通取得すれば大丈夫です)。

集めるべき戸籍

①被相続人につき、出生から死亡までの連続した戸籍すべて

※被相続人に子がいないことを確認するために集めます。

②被相続人の父につき、出生から死亡までの連続した戸籍すべて

※被相続人の父の子(被相続人と父を同じくする兄弟姉妹)をすべて特定するために取ります。

③被相続人の母につき、出生から死亡までの連続した戸籍すべて

※被相続人の母の子(被相続人と母を同じくする兄弟姉妹)をすべて特定するために取ります。

④被相続人の死亡している兄弟姉妹につき、出生から死亡までの連続した戸籍すべて

※被相続人の甥姪(兄弟姉妹の子)をすべて特定するために取ります。

⑤相続人につき、現在の戸籍

※相続人として甥姪が生存していることを証明するためにとります。

パターン6:配偶者なし・子なし・父母生存

パターン2とほぼ同じケースと考えることができます。

被相続人に配偶者・子がなく、父母(のいずれか)が健在であることが確定すれば相続人が特定できたということになります。

つまり、次の①②の戸籍を集めれば相続人調査は完了です(戸籍が重複する場合は1通取得すれば大丈夫です)。

集めるべき戸籍

①被相続人につき、出生から死亡までの連続した戸籍すべて

※被相続人に配偶者・子がいないことを確認するために集めます。

②相続人につき、現在の戸籍

※相続人として父母(のいずれか)が生存していることを証明するためにとります。

パターン7:配偶者なし・子なし・父母死亡・兄弟姉妹あり

パターン3とほぼ同じケースと考えることができます。

被相続人に配偶者・子がなく、父母が先に死亡しており、兄弟姉妹が生存していることを明らかにする必要があります。

このとき、被相続人の兄弟姉妹(=父母の子)をすべて特定する必要があることに注意してください。

つまり次の①②③④の戸籍を集めれば相続人調査は完了です(戸籍が重複する場合は1通取得すれば大丈夫です)。

集めるべき戸籍

①被相続人につき、出生から死亡までの連続した戸籍すべて

※被相続人に配偶者・子がいないことを確認するために集めます。

②被相続人の父につき、出生から死亡までの連続した戸籍すべて

※被相続人の父の子(被相続人と父を同じくする兄弟姉妹)をすべて特定するために取ります。

③被相続人の母につき、出生から死亡までの連続した戸籍すべて

※被相続人の母の子(被相続人と母を同じくする兄弟姉妹)をすべて特定するために取ります。

④相続人につき、現在の戸籍

※相続人として兄弟姉妹が生存していることを証明するためにとります。

司法書士は、相続人調査(戸籍集め)が得意です

ざっと7パターンに分けてお話させていただきました。

事例では説明の都合上シンプルな相続関係にいたしましたが、実際はもっと多くの登場人物が出てくることが多いでしょう。

特に、被相続人に子どもがなく兄弟姉妹が沢山いるケースの相続人調査は、かなりの通数の戸籍を集めなくてはならない場合もあります(100通を超えることも)。

「戸籍集めは自分でやってみます!」という意欲的なお客様もいらっしゃいます。そんなときは当職はアドバイスするという形でサポートさせていただいております。

しかし調査に要する時間・労力を考慮すれば、専門家に依頼するという選択肢が賢明ということもございます。

相続人調査(戸籍集め)は、司法書士が得意とする業務のひとつです。