相談者3

先日、父の遺品を整理していたら箪笥の奥に遺言書をみつけました。これって開けていいんですよね?

司法書士

おっと、お待ちください。自筆証書遺言を勝手に開封してしまうと、5万円以下の過料に処せられることがあります。

こんにちは、相続に強い柏の司法書士です。

遺言書を発見するなんて、滅多にする経験ではありません。どうしたらよいかわからなくて当然ですから、まずは落ち着いてくださいね。

この記事を読めばあなたがするべきことがきちんと分かります。

自筆証書遺言をみつけた場合は

勝手に開封しないこと

自筆証書遺言とは、遺言者が自筆で作成した遺言書のことです。

自筆証書遺言に封がしてある場合、それを見つけた者が勝手に開封してしまうと5万円以下の過料に処せられることがあります(過料とは、刑罰ではなく、あやまち料です)。

 

相談者3

いや、もう開けちゃったんだけど・・・

という人もいるかも知れませんね。

開封してはいけないということを知らずに開けてしまった、ということも実際はあります。

開封してしまったら遺言書は無効というわけではありません。また過料も実際に課せられることはほぼないようです。万が一開封してしまったとしても、あまり気にしないでください。

とはいえ、開封が禁じられているのは開封した者による偽造・変造を防止するという趣旨であり、後々のトラブルを回避するためですので、封印してある遺言書は決して開封しないでください。

家庭裁判所で検認を受けましょう

 

相談者3

裁判所とは、ずいぶんおおげさですね。検認って、やらなきゃだめなんですか?

司法書士

検認を受けていない遺言書が無効というわけではありませんが、検認が済んでいない自筆証書遺言では、不動産の名義書換にせよ銀行口座の解約にせよ、受け付けてもらえません。

検認とは、遺言書の外形的な状態を家庭裁判所に確認してもう手続きです。偽造・変造を防止するための証拠保全のような手続きであり、遺言書そのものの有効無効を判断する手続きではありません。

検認を受けるには、家庭裁判所に「検認の申立」を行う必要があります。検認の申立には、基本的に相続人全員の戸籍謄本の添付が求められますので、場合によってはかなりの通数の戸籍が必要になります。

 

相談者3

仕事も忙しいし、戸籍の集め方とかよくわからないんですが・・・

司法書士

ご自分では難しければ、司法書士にご相談ください。司法書士は、戸籍収集からその後の家庭裁判所に提出する書類の作成まで代行することができます。

検認の申立を行うと、家庭裁判所から検認期日の通知がなされます。

検認期日は相続人全員に対して通知されますが、相続人全員に出席の義務があるわけではありません。ただし検認申立をした人は、検認期日に遺言書を持って家庭裁判所に行き、検認に立ち会わなければなりません。そこではじめて遺言書の開封がなされます。

自筆証書遺言でも検認が不要なケース(新制度)

2018年7月6日、「法務局における遺言書の保管等に関する法律(遺言書保管法)」が成立しました。2020年7月10日から施行されます

この法律によって自筆証書の保管を法務局に申し出ることができるようになりました。従来の自筆証書遺言の弱点であった紛失・発見されない等の問題点をカバーすることのできる制度です。

法務局で保管された自筆証書遺言は家庭裁判所での検認を省略できる扱いとなっています。この点、検認にかかる手間・費用を回避できるという点においても大きな利点となっています。

公正証書遺言をみつけた場合は

公正証書遺言とは、証人の立ち合いのもとに公証人が作成した遺言書です。

原本・正本・謄本の3通が作成され、原本は公証役場に保管されます。

公正証書遺言の場合は、偽造・変造の恐れはほぼありませんので、検認手続きは不要とされています。また仮に公証役場の封筒などで封がされていたとしても、開封してしまって問題はありません。

最後に

自筆証書遺言を発見したときは、開封せずに検認をうけること。

とにかくここがポイントになります。なお検認の手続きを怠った場合にも、5万円以下の過料に処せられるとされていますので注意が必要です。

また検認の手続きは、なるべく早くしなければならないとされています。

検認の手続きに限らず、相続には期限のある手続きが色々とありますね。ご自分で手続きするのが難しい、時間的余裕がないという場合は司法書士にご相談いただくことができますのでご検討ください。