相談者5

父の相続についてなんですが・・・納得がいかないんです。

司法書士

太郎さん、どうなさいましたか?

相談者5

父は長年持病を抱えておりました。それがもとで先月亡くなりましたが、数年前に知り合った30歳年下の女性Aと、死の1年前に再婚していたのです。女性Aは、晩年の父の身の回りの世話をしてくれていた人です

司法書士

なるほど。最期に献身的な介護をなさり、絆を深められたということでしょうか。

相談者5

そのようです・・・世話をしてくれたことには感謝しています。ただ再婚は父の遺産目当ではないかと、私は反対したんです。しかし父の決意は固く、女性Aと夫婦関係を築きたいと再婚してしまいました。この場合遺産はどうなるのですか?

こんにちは、相続に強い柏の司法書士です。

 

相談者の太郎さんは父親が死の直前に再婚したことを受け入れられないといったご様子です。

女性Aとの再婚についてお父様の婚姻意思はしっかりとしていたようですので、婚姻自体は有効なものと言えそうですね。

この場合、再婚期間がわずか1年ほどであったとしても、女性Aは父親の配偶者として第1順位の法定相続人となります

 

司法書士

お父様は、遺言書はお作りにならなかったのですか?

相談者5

それが、病状が急変して突然の他界だったもので遺言書はみつかっていないんです・・・

司法書士

もし遺言書が残っていない場合、お父様の遺産は相続人全員での遺産分割協議によって分け方を決めていくことになります。太郎さん、ごきょうだいはいますか?

相談者5

弟が2人います。3人兄弟です。

司法書士

そうなりますと、法定相続分は女性Aが2分の1、太郎さんを含めた3人の子どもは各6分の1という割合になりますね。この割合をもとに遺産分割協議を行うことになります。

遺言書がない場合は、法定相続人全員による遺産分割協議が必要になります。

法定相続人とは?

被相続人の配偶者と、下記の順位に従った被相続人の血族のことを言います。

〈常に相続人〉 

配偶者

〈血族相続人〉

第1順位 子(子が先に死亡しているときは孫) 

第2順位 父母

第3順位 兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に死亡しているときは甥姪)

ご相談のケースでは、配偶者である女性Aと、太郎さん含めた子ども3人が法定相続人ということになります。

父親の再婚相手である女性Aと、子ども3人の関係性は必ずしも近しいものではありませんが、これは致し方のないところであります。

また、それぞれの法定相続分についても、民法に定められています。

民法第900条(法定相続分)

第1号 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。

第4号 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は相等しいものとする。

このことから、法定相続分は女性Aが2分の1、子ども3人が各6分の1となることが分かりますね。

 

相談者5

これから本格的に遺品整理をしますが、もし遺言書が出てきた場合はどうなりますか?

司法書士

遺言書が出てきた場合は、基本的に遺言書通りに遺産分けをする形になります。

ただし、たとえば遺言書が「全財産を子どもたちに相続させる」内容であったとしても、女性Aには配偶者としての遺留分があります(本件では4分の1)。もしも女性Aが遺留分を主張してきた場合は、それに応じなければなりません。

逆に、遺言書が「全財産を女性Aに相続させる」内容であったとしても、太郎さんら子ども3人は、各自の遺留分(12分の1)を女性Aに対して主張することができます。

また遺言書の捜索についてですが、もし遺言者が生前に公正証書遺言を作成していた場合、全国どこの公証役場でも遺言書の検索を行うことができます。

遺言書の有無がはっきりしないケースでは、一度公証役場を当たってみた方がよろしいでしょう。

 

相談者6

よくわかりました。一度弟たちともよく話し合って、今後の手続きを進めていきたいと思います。