相談者4

子どもたちが相続でもめないように遺言書を作りたいと思っています。ただ、子供たちが私の気持ちを汲んでくれるかが心配で・・・

司法書士

遺言を作るのはいいことですね。子どもたちに気持ちを伝えたければ、遺言書に付言事項を付けることをおすすめします。

こんにちは、相続に強い柏の司法書士です。

 

人生いろいろ、遺言書を作る事情もいろいろですよね。

とはいえ、遺言書を作る目的として

 

「相続人同士の遺産争いを防止したい」

 

という点ではほとんど共通するのではないかと思います。

ただ、どんなに苦心しても、すべての相続人に完璧に納得してもらえるような遺産分配はなかなかできません。遺言書の中身に納得がいかず、かえって相続人同士が揉めてしまうようでは元も子もありませんよね。

そこでおすすめしたいのが、「遺言書に付言事項をつける」ということです。

今回の記事をお読みいただくことで、より円滑に遺言内容が実現しやすくなりますので、ぜひご参考になさってください。

付言事項とは

付言事項とは、遺言書に記載する事柄のうち、法的な効果が生じない事項のことを言います。遺言書の末尾に記載するのが一般的です。

具体的には次のようなものが挙げられます。

付言事項の具体例

 

①遺産分配の趣旨の補足

②遺留分権利者に、遺留分を請求しないよう促すもの

③相続人や関係者への感謝の気持ち

④家族仲良く過ごしてほしいとの願い

⑤自分の生い立ちや、財産を築き上げた苦労

⑥先祖代々の土地を守ってほしいとの希望

⑦家訓、戒め

⑧葬儀方法

 

これらの事柄は、遺言書に記載したからと言って法的な効果が生じるわけではありません。つまり、付言事項に書かれていたからといって、相続人はそれに従うことを強制されるわけではないのです。

 

しかし、付言事項の効果は意外と大きいものです。以下に付言事項の文例を挙げてみましょう。

 

例えば、「不動産を長男に、預貯金を二男に相続させる」との遺言を作るにあたって、預貯金が少なく二男には不満が残りそうだという場合。

そのように遺産を分配する趣旨を是非補足してあげてください。

「長男太郎には、私と同居し、最後まで身の回りの世話をしてくれたことに大変感謝しています。引き続きこの家を守ってもらいたいとの思いから、不動産は長男太郎に相続させることとしました。

二男の次郎には、預貯金を相続させます。少ないかもしれませんが、次郎には海外留学の費用をかけてあげたことを考えそのように決めましたので、どうか私の気持ちを汲んでください。」

 

または、「全財産は長女に相続させ、放蕩息子の長男には相続させない」との遺言を作るにあたって、長男から長女への遺留分減殺請求が懸念される場合。

遺留分減殺請求をしないよう長男に促す文言を盛り込んであげてください。

「長男は若い時分から借金を繰り返し、私はその返済を何度も肩代わりするなど大変な思いをしてきました。長男の浪費によって結果的に私が遺せた財産も減ってしまったというのが正直なところです。従って、残った財産は全て長女に相続させます。

長男は、私の考えを踏まえて、くれぐれも長女に対して遺留分減殺請求をすることのないようにお願いします。」

 

遺言の内容だけをみると不平等にみえる遺産分配の仕方でも、そのように決めた意図をきちんと付言事項に残しておけば、不利な相続内容の相続人も理解してくれるかもしれません。親の最後のメッセージというのは、なかなか反故にできないものです。

最後に

ただ財産の分け方を指示するだけの遺言書ですと、どうしても無機質な印象になりがちです。そこに付言事項をつけることで、遺言者の人柄があらわれ、遺言内容も相続人に受け入れられやすくなると言えるでしょう。

また、被相続人の最後のメッセージがそこに残されていれば、それだけで残された相続人は嬉しいものです。

遺言書を作成するときは、是非付言事項についても一緒に考えてみることをおすすめいたします。