こんにちは、相続に強い柏の司法書士です。

 

昨今、事実婚を選ぶカップルが増加しています。

苗字を変えなくて済むから、戸籍制度に束縛されたくないから等、それぞれのカップルが事情に即したメリットを感じて事実婚を選択しているわけですが、こと相続に関しては要注意です。

先に、とても重要なことをお伝えいたします。

重要

パートナーが死亡した場合、法律上の婚姻関係がない者には、相続権は認められません。

長年連れ添ったパートナーにとっては、不都合な「事実」かも知れません。事実婚は、相続に関しては不利な面があるのは確かなのです。

 

「じゃあ、長年連れ添った私は、パートナーの遺産を受け取れない・・・?」

 

これからケースに分けてわかりやすくご説明いたしますので、ご一読ください。

遺言書がない場合

死亡したパートナーに法定相続人がいれば

死亡したパートナーに法定相続人がいれば、法定相続人が全ての遺産を相続します。基本的に、事実婚のパートナーは、法定相続人に対して財産の分与を請求することはできません。

※この点、死別以外の事情による事実婚・内縁関係の解消(=離別)の場合に、婚姻関係にある夫婦の離婚の際と同様に、相手方パートナーに対する財産分与請求が認められる場合があるのとは分けて考える必要があります。

法定相続人とは?

被相続人の配偶者と、下記の順位に従った被相続人の血族のことを言います。

〈常に相続人〉 

配偶者

〈血族相続人〉

第1順位 子(子が先に死亡しているときは孫) 

第2順位 父母

第3順位 兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に死亡しているときは甥姪)

法律上の婚姻関係にない以上、一方のパートナーの死亡に際して、他方のパートナーには法律上の相続権は一切発生しません。

ただし、パートナー双方が協力して事業を営む、または双方がそれぞれの収入を合算して預金として残していたなどの事情がある場合には、たとえ残された財産が死亡したパートナー単独名義であっても「実質的共有財産」として遺産に対する持分を主張できる可能性はあります。

死亡したパートナーに法定相続人がいなければ

死亡したパートナーに法定相続人がいなければ、「特別縁故者」としてパートナーの残した財産の全部または一部を取得できるかもしれません。

特別縁故者とは、法律上次のように定められています。

被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者(民法第958条の3)

事実婚・内縁の関係は上記民法の規定に当てはまると考えられ、特別縁故者としての請求が可能な場合があります。

ただし、特別縁故者が家庭裁判所に対して財産を請求するまでには、しかるべき段取りがあります。すぐに請求できるわけではありません。

この点に関する詳しいご説明は別の記事に譲りますが、

相続債権者・受遺者に対する支払いが済み、なおかつ相続人がいないことが一定期間の相続人捜索の公告によって確定した後、公告の期間満了後3か月以内に限り請求することができるものとされています。

遺言書がある場合

遺言書がある場合、基本的に遺言書のとおりに遺産分けが行われます。

仮に法定相続人がいても、遺言で事実婚のパートナーに財産を残すことが可能です。遺留分の問題があるため、全財産をパートナーに取得させることができるかどうかはケースによりますが、うまく遺言書を残しておけば大きなトラブルもなくパートナーに財産を取得させることが可能になります。

事実婚・内縁のカップルには、生前の相続対策として遺言書の作成を強くおすすめいたします。

愛は戸籍を超える(事実婚の妻に財産を残す遺言)

まとめ

事実婚の場合、パートナーの遺産の行方は、遺言書の有無によって大きく変わってくるということがお分かりいただけましたでしょうか。

「そもそも遺言書があるかどうかがわからない」

という場合は、公正証書役場での遺言書検索といった作業が必要になってくるかもしれません。

手続きにお困りの際には、司法書士等お近くの専門家にまずご相談いただくことがご安心につながるかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。