相談者1

私は一人暮らしですが、飼い猫のレオがおりとても大切にしています。私が先に旅立った場合、レオに財産を残すことはできますか?

司法書士

お気持ちはわかります。しかし残念ながら、財産そのものをペットに相続させることはできません。遺言書をうまく使ってレオ君の安心な暮らしを守ることを考えましょう。

こんにちは、相続に強い柏の司法書士です。

 

昨今、家族の在り方が大きな変貌を遂げていますね。生涯未婚率または離婚率の上昇、高齢化による単身高齢者の増加、子供のいない夫婦、同性パートナーなど・・・これら新しい家族のかたちにおけるとても大切な存在が、犬や猫をはじめとしたペットです。

 

某通信会社の白いワンちゃんは極端かもしれませんが、ペットはわたしたちにとってれっきとした家族といっていい時代だと思います。そして、あたかも残される最愛の伴侶を気にかけるかのように、

 

「自分の死後の、ペットの身の上が気がかりだ」

 

とお考えの方も多く、今後もいっそう増えていくものと思われます。

今回の記事は自分の死後、かわいいペットを守りたいとお考えのあなたのために書いています。

死後にペットを託せる人はいますか?

 

相談者1

猫好きつながりで親しくしているお友達がいます。私よりずいぶん若くて、うちのレオもよくなついています。彼女になら、私の死後レオを託せると思います。

司法書士

それは頼もしいですね。それでは遺言を使って、その方にレオ君とあなたの遺産の一部を受け取ってもらい、レオ君がずっと安心に暮らせるよう託しましょう。

ペットのお世話にはフード代や、身だしなみのお金、病院代など様々な費用がかかりますよね。死後にお世話をお願いする方には、ペットとともに遺産の一部を残すようにしましょう。

このように遺産の一部をあげる代わりに、もらう人に一定の義務(負担)を負わせる遺言のことを、負担付遺贈といいます。

負担付遺贈にすることによって、託された側も費用面の心配をすることなくペットに安心な暮らしを提供できるようになります。

負担付遺贈の注意点

安心してペットを託せる人に頼む

遺贈は、遺言者の死亡後、もらう側から放棄することができるとされています。いくらペットのことを考えて負担付遺贈の内容で遺言を作っても、もらう人に拒絶されてしまっては意味がありませんよね。

従ってこのようなケースでは、生前から安心してペットを託せる人を探しておき、その方に負担付遺贈を受けてもらえるかどうかを事前確認しておく方がよろしいでしょう。

なお、負担付遺贈とよく似た方法として負担付死因贈与契約を結んでおくというやり方もあります。こちらの方が生前に契約というはっきりした形が残せますので、相手方の意思を確認するには適しているかもしれません。死因贈与契約については、別の記事に詳しいので是非ご参照ください。

死因贈与契約と遺言

遺言執行者を指定しておく

遺言執行者とは、遺言内容を実現するための権利義務を有する立場の者を指します。遺言で指定するか、死後に家庭裁判所に選任してもらうかのいずれかになります。

遺言執行者がいれば死後の財産の引き渡しがスムーズに実現します。

また、負担付遺贈を受けた人が遺言の内容に反しペットの世話をしない(義務を履行しない)という事態が生じた場合、遺言執行者は、遺贈を受けた人に対し履行の請求をすることができます。さらにそれでも履行がなされない場合には、家庭裁判所に対し負担付遺贈に係る遺言の取り消しを請求することができます。

これらの内容を鑑みると、遺言執行者には司法書士等の専門家を指定しておいた方がご安心といえるでしょう。

最後に

愛するペットには、最後まで安心して暮らしていってほしいですよね。

遺言書は、残される人のために作るもの

これは相手が人間であってもペットであっても同じことです。早いうちから対策しておくことで、いつ何が起きても大丈夫、という安心感が得られるのではないでしょうか。

遺言書の作成にはたいがい何かのきっかけがあるものです。もしもこの記事があなたにとってのきっかけとなれば、私としてはうれしく思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。